この記事ではフリーランスの人が確定申告するときに知っておきたいポイントや注意点を、2019年から変更になった点を交えつつ説明していきます。
- 確定申告が必要かどうかの基準
- 確定申告をしないとペナルティーはあるのか?
- 白色申告と青色申告の違い
- 確定申告する際に必要な書類と手続きの方法
- 確定申告する際に便利なソフト
などについて知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
2019年度(2020年)の確定申告期間
- 2019年度(2020年)の確定申告期間は、2019年2月17日(月)〜3月16日(月)です。
確定申告が必要かどうかの基準について
フリーランスの場合、事業所得が38万円を越えると確定申告が必要になります。
この38万円ってなに?
基礎控除の金額のこと

フリーランスとして稼いだ所得がこの基礎控除の額の38万円を上回ると確定申告が必要になる仕組みになっています。
ただし38万円以下でも、事業が赤字になった場合は還付を受けることができ住民税の面で考慮されるため、しっかりと確定申告をするほうがいいです。
確定申告をしないとどうなる?
確定申告をしないと無申告加算税がかかるので注意
無申告加算税は、原則納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える場合は20%発生します。

確定申告は、毎年1月1日〜12月31日までに生じた所得を、翌年の2月16日〜3月15日までに行うことになっています。
つまり2020年の場合であれば、2019年1月1日〜12月31日までの分を計算し、2020年2月17日(月)〜3月16日(月)の間に行うということです。
参考サイト:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
白色申告と青色申告の比較
確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2種類の方法があります。
白色申告
白色申告がお勧めの人
- あまり所得が多くない人
- とにかく出来るだけ簡単に確定申告を済ませたいという人
青色申告のように、事前に申請書の提出や細かい帳簿付けをする必要がありません。
青色申告
青色申告は、白色申告よりも少し手間が増える代わりに、10万円もしくは65万円の控除を受けることができる
65万円の控除を受けるためには
より細かく帳簿をつける「複式簿記」で申告する必要があるので、事前にしっかりと準備する必要があります。
10万円の控除でいい場合は
「複式簿記」よりも簡単な「単式簿記」で申告することも可能です。
どちらの場合でも、青色申告で手続きするためには、確定申告をしたい年の3月15日まで(その年の1月16日以降に事業をスタートした場合は、スタートした日から2ヶ月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
注意点
3月15日が日曜日の場合、翌日16日月曜日締め切りになります
書類は税務署か国税庁のサイトからダウンロードできます。
参考サイト:国税庁「所得税(確定申告書等作成コーナー)」
フリーランスにお勧めの方法は?
そこまで所得が多くない初心者の人で、なおかつ確定申告までにあまり時間が取れない場合は白色申告がオススメです。
まずは簡単な白色申告で確定申告に慣れて、ゆくゆく青色申告に切り替えるのもひとつです。

確定申告のやり方は?
確定申告をするために、まずは自分の収入、必要経費、控除の金額などが分かるもの、そしてそれらの金額を記入するための書類などを用意する必要があります。
確定申告する際に必要な書類
フリーランスの人が確定申告する際に必要な書類は以下の8つです。
- 確定申告書B
フリーランスや分離課税対象の所得がある人向けの書類。Aはサラリーマン用 - 必要経費の領収書など
支払った医療費の合計がわかるレシートなど - 源泉徴収票
- その年の売り上げや収入などがまとまったデータ
- 収支内訳書
白色用 一般用・農業所得用・不動産所得用の3種類あるが、通常は一般用でOK - 青色申告決算書
青色用 こちらも一般用・農業所得用・不動産所得用の3種類あるが、通常は一般用でOK - 青色申告承認申請書
- 印鑑
※ ①・⑤・⑥ の書類は国税庁のサイトで印刷可能です。もしくは確定申告の会場で書類を受け取り金額を記入することも可能です。
※ ⑥・⑦に関しては青色申告で手続きする場合に必要な書類です。
確定申告のやり方について
上で用意したもので、確定申告書などに具体的な金額を記入していくわけですが、その方法は大きく分けて2つあります。
- 税務署などで確定申告する
- WEB(PCやスマホ)で確定申告( e-Tax )する
税務署で確定申告する場合

ただしゼロから丸投げするのはNGで、自分で収入、経費、控除の金額、そして領収証などを、事前にしっかりと整理できている状態で相談しないといけませんよ。

必要経費の計算などで分からないことがあれば、最寄りの税務署に電話で確認することも可能です。
※ 自分で申告書などを作成できる場合は、自宅で作成して郵送で提出することも可能です。なお郵送で税務署に送付する場合は「郵便物」もしくは「信書便物」として提出する必要があります。
参考サイト:国税庁「申告書の税務署への送付」
WEB(PCやスマホ)上で確定申告( e-Tax )する場合
パソコンやスマホを使ってWEB上で手続きすることも可能です。
WEB上で手続きする場合、e-Taxというシステムを利用しますが、マイナンバーカード方式 / ID・パスワード方式のいずれかの方法を選んで手続きをします。
ID・パスワード方式で手続きする場合は、運転免許証などの本人確認書類を税務署に持参してID・パスワードを発行してもらう必要があります。もちろん手続きは無料で、即日発行してもらうことができます。
※ 2019年からスマホを使った方法やID・パスワード方式が導入されています。
参考サイト:国税庁「e-Tax 国税電子申告・納税システム」
フリーランスが確定申告する際のポイント
確定申告をする際は、以下の3つのポイントをとくに注意しましょう。
POINT
- 伝票・領収書類をとっておく
- クラウド会計ソフトを使う
- 税理士に依頼する事もできる
1伝票・領収書類を取っておく

必要経費を計算するときに必要で、取っておかないと支払う税金が多くなり節税できません。
「2019年1月」「2019年2月」「2019年3月」と月毎に封筒やファイルなどを用意し、そこに保管しておくと計算するときに便利
2クラウド会計ソフトを使う

レシートや領収書をスマホで撮影して自動で経費などを入力したり、クレジットカードを会計ソフトに連携させて帳簿付けを仕組み化する事もできますし、それらの入力された内容をもとにして確定申告書などを自動作成する事も可能です。
ちなみに特に人気があるソフトはfreeeやMoneyForwardなどのソフトです。
3税理士に依頼する事もできる

経理などの作業が苦手でどうしても自分でやりたくない人にはいいですが、その代わり10万円以上費用がかかるデメリットもある
フリーランスの仕事と並行してアルバイトもしている人は注意!
フリーランスの仕事をしながらアルバイトをしている場合でも、原則確定申告が必要
アルバイト先に「確定申告をするので年末調整はしなくて大丈夫です」と伝えるか、年末調整した後に自分で確定申告をするかどちらかの対応が必要になります。

フリーランスの確定申告のまとめ
フリーランスの人が確定申告をするときのポイントや注意点について説明してきましたが、とくに覚えておきたいのは、青色申告をすると最大で65万円の控除が受けられることです。
65万円はけっこう大きな金額なので、ある程度の金額を稼ぐ場合は節税効果の高い青色で申告する事をオススメします。
手間がかかるので、早め早めに準備するように注意しましょう。