この記事で解決できる悩み
- 「セクハラ加害者」になってしまったら…
- どういった行動がセクハラになるのか
- セクハラでどんな処分を受けるのか
この記事では、このような疑問について解説します。
たとえ自覚がなかったとしても、会社での処分や周囲の目、転職を考えると絶望的な気持ちになってしまうことでしょう。
しかし反省した上で正しい行動をとれば、今よりもよい状態にすることはできます。
今後どんな処分が下されるのか、どう対応するのががベストかを事前に把握する情報収集が必要です。
今回はセクハラ加害者になってしまった場合、自宅待機中にすべきこと、転職でバレる可能性はあるのか、を詳しく解説します。
セクハラ加害者になってしまった。どこからがセクハラなのか



セクハラで訴えられるとどうなってしまうのか教えてください!

セクハラとはなにか
セクハラとは
職場で相手の意に反する性的な言動・嫌がらせを行い、不利益を感じさせたり、労働環境を悪くしてしまうこと
受けた本人が不快に感じればセクハラに該当するため、定義は曖昧なものですが、男性から女性だけでなく、女性から男性、さらに同性同士の言動もセクハラと認められます。
中にはまったくそのつもりがなかった冤罪のケースもありますが、「セクハラをしていない」という証拠や情報を提出できない限り、訴えられた状況をくつがえすのは難しいようです。

自覚がなくても加害者になることがある
セクハラの加害者になってしまう可能性があるのは…
- 「異性からのウケがいい」
- 「許されるキャラクターだから自分は大丈夫」
このような自信を持っている人
悪気がなくても、相手が不快に思えばセクハラになる可能性があるため注意が必要です。
- スキンシップのつもりで肩を揉んでいた
- 場を和ませるために下ネタを言っていた
- 好意を抱いている部下をデートに誘っているつもりだった


セクハラで訴えられるとどうなる?会社からの処分
セクハラ加害者が会社から処分される場合、3つのパターンが考えられます。
- 厳重注意
- 異動・降格
- 懲戒処分
①厳重注意
会社側がセクハラの事実確認をした上で、加害者に「被害者がセクハラで不快な思いをしたこと・二度とセクハラをしないように」と口頭で注意するのが厳重注意です。
②異動・降格
厳重注意を受けて多くの場合はセクハラがなくなりますが、逆に悪化したり、嫌がらせに発展した場合は、異動・降格といった本格的な処分が下されることになります。

③懲戒処分
たとえば上司の権限を利用して強制的に部下の女性と性交渉を行うなど、セクハラの度合いによっては就業規則などに違反した人への制裁処分である懲戒処分が下されます。
懲戒処分といっても処分の重さはケースバイケースで、
- 減給
- 出勤停止
- 懲戒解雇
など、さまざまです。
強制わいせつ罪レベルのセクハラをした場合、被害者が希望すれば警察に訴えたり、会社への慰謝料を請求することもできるため、会社側も早急に対応する必要があります。
セクハラ加害者になったときの対応


自宅待機を命じられたら従う
自宅待機は会社からの業務命令
セクハラをした加害者に対して、会社は自宅待機命令を出すことができます。
自宅待機命令は会社からの業務命令
従わなければ業務命令違反で懲戒処分の対象となるため応じること
加害者が自宅待機になる理由
セクハラが起こったときの対応で1番大切なことは、被害者と加害者を引き離すこととされています。


また加害者が会社に来ないことで、これ以上セクハラ被害者を増やさないという目的や、目撃者に圧力をかけるなど証拠を隠蔽するチャンスを与えないという目的もあります。
自宅待機中にやること
自宅待機中、会社では事実関係の調査や加害者の処分について審査が行われています。
今後の対応について、セクハラ加害者として考えるべきこと、準備しておくべきことをまとめました。
- 就業規則を確認する
- 今後も職場で働けるか考える
- しっかりと反省をする
- 謝罪は細心の注意を心がける
就業規則を確認する
従業員数が10人を超える会社の場合、就業規則の作成が法律で義務付けられています。
セクハラ規定が明記されていることもあるため内容を確認しておく
今後も職場で働けるか考える
願わくば懲戒解雇ではなく、今後も同じ職場で働きたいと思う方は多いでしょう。
すべての人が懲戒解雇になるわけではないが、セクハラ被害者との接触はできるだけ避けるため配置転換を申し出ることがおすすめ

しっかりと反省をする
加害者になってしまった以上、被害者からの訴えが事実であれば、自身のセクハラの言動について十分に反省すべきです。
原因がお酒や気の迷いであったとしても、同じような不快な思いを再度誰かにさせないようにする必要があります。
謝罪は細心の注意を心がける
被害者に謝罪を申し出る場合
今まで通り気軽に電話やメール
対面で会う
さらにセクハラ被害を招く可能性があるため、細心の注意を払うことが必要です。
相手が受け入れない場合も考慮して、弁護士に相談することをおすすめします。
セクハラ加害者の転職

セクハラ加害者のレッテルが貼られてしまった場合、転職で不利になるのでしょうか。
退職は自己都合退職が一般的
セクハラ加害者で会社をやめなければいけない懲戒処分は、「諭旨(ゆし)退職」と「懲戒解雇」の2種類ありますが、自己都合退職にしてくれる「諭旨退職」が一般的です。
- 諭旨退職
加害者自身が退職届けを提出し、自己都合退職扱いにしてくれ、退職金も支払われる会社側の温情を感じる退職となります。
- 懲戒解雇
会社側が一方的に雇用契約を解消する処分で、いわゆるクビの状態です。
退職金も支給されず、再就職にも懲戒解雇されたことが悪影響を及ぼすためできるだけ避けたい処分といえます。
転職するときバレる可能性は?


履歴書・離職票・面接では経歴詐称に注意
転職時に提出する書類や面接時に、加害者であることがバレてしまう可能性があります。
具体的には、履歴書はあえて退職理由を書かない書式のものを使えば問題ありませんが、エントリーシートなどに「賞罰」の欄を設けている会社もあります。
裁判で有罪判決が確定した場合
- 履歴書の賞罰欄に「罰」として記入しなければならない
- 空欄や嘘の事実を書くと、経歴詐称となるので注意する

また懲戒解雇の場合は、失業保険を受け取る際に必要な離職票には「重責解雇」と書かれるので、懲戒解雇されたことは一目瞭然となります。
面接では退職理由について聞かれたときに、嘘をつくと経歴詐称となるため、回答せざるをえません。
前職への問い合わせ
面接者が勤めていた前職の会社へ問い合わせをする場合もありますが、問い合わせするかはその会社次第の方針となります。
必ず問い合わせされるとは限りませんが、問い合わせされた場合には事実が発覚してしまうでしょう。
面接でしっかりアピールすることが大切
セクハラが原因で懲戒解雇されたという事実は、上記の理由から転職時にもバレる可能性はあります。
しかし状態が不利だからこそ、しっかりとご自身のアピールをすることを重視して転職活動をすることを心がけましょう。
セクハラ加害者の転職 まとめ
反省し気持ちを切り替えて努力することを実践すると、現在の最悪な状況から抜け出し、今後の転職活動もうまく成功させることができます。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- 自覚がなくてもセクハラ加害者になる可能性がある
- 会社からの処分は「厳重注意」「移動・降格」「懲戒処分」の3パターン
- 自宅待機命令に従い、期間中は反省しつつすべきことを行う
- セクハラ加害者は自己都合退職がほとんどだが、懲戒解雇になった場合は転職で不利になることがある
「まさか自分がセクハラ加害者に…」と絶望的な気持ちになってしまいがちですが、自宅謹慎中にしっかりと自分を見つめ直し、今後どうすべきかを明確にすることで、転職活動も成功させることができるでしょう。