この記事で解決できる悩み
- ポートフォリオってどういうものなの?
- ポートフォリオを作りたいけどどうやって作ればいいかわからない
- 転職に効果的なポートフォリオ作成のコツってあるの?
クリエイターの転職でかならずと言っていいほど、必要になってくるポートフォリオ。
ではこのポートフォリオ、そもそもどんなもので、どのように作ればいいのでしょうか。
この記事ではクリエイターの転職にかかせないポートフォリオの構成要素や作成のコツを紹介します。
魅力的なポートフォリオを作って、希望の企業への転職を成功させましょう!
【はじめに】ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、クリエイターがこれまでの実績をアピールするための作品集、という意味合いで使われることが多い言葉です。
そのため、転職活動で「今までの作品をとりあえずかきあつめてまとめました!」といった内容のポートフォリオを提出する人が非常に多く、企業が求めている情報が不足している場合があります。
転職における「ポートフォリオ」とは?
- 転職におけるポートフォリオとは、ただの作品集ではなく、自身のセンスやスキル、実務能力を評価してもらうための自己PRツールであるという認識が重要です。
転職におけるポートフォリオとは、ただの作品集ではなく、自身のセンスやスキル、実務能力を評価してもらうための自己PRツールであるという認識が重要です。
クリエイターの能力や仕事への取り組み方、思いを知る有効な手段として企業はポートフォリオを重要視しています。
また、最近ではエンジニア転職の場など、クリエイター以外でもポートフォリオの提出を求められる場合もありますよ。
転職における「ポートフォリオの役割」とは?
- 企業がクリエイターを採用したいと思った時、一般的な履歴書や職務経歴書だけでは評価が難しいため、ポートフォリオが使われます。
また、クリエイターの採用では採用担当者もクリエイターであるケースが多く、ポートフォリオを通してクリエイターとしてのあなたの経験や持っているスキル、仕事への取り組み方などを判断します。
ポートフォリオの出来は転職活動において、あなたのクリエイターとしての第一印象を大きく左右するので、魅力を最大限引き出すポートフォリオを作成する必要があるのです。
ポートフォリオの基本の構成要素4つ
ポートフォリオについて概要が分かったところで、次は具体的な作成の仕方について解説します。



効果的なポートフォリオを作成したい時、載せるべき要素は以下の4つです。
ポートフォリオの基本の構成要素4つ
- 自己紹介
- 作品紹介
- その作品への取り組み方
- ビジョン
ひとつずつ見ていきましょう。
構成要素1:自己紹介
ひとつ目の構成要素は自己紹介です。
ポートフォリオを作る際にまず必要なのがプロフィールです。
プロフィール(例)
- 氏名
- 年齢
- 顔写真
- 連絡先
- 使用可能なソフトやプログラミング言語
- 受賞歴、主な実績
- 今まで経験したポジション、担当した業務
- クリエイターとしてのこだわり、信念、PR
名前や連絡先といった自分の情報を書いていきましょう。
顔写真を載せるのも印象に残りやすいのでおすすめですよ。
履歴書や職務経歴書に書いてあることは、無理に書ききらなくても構わないので、以下の例を参考に、1ページから長くても見開き1枚にまとめるようにしましょう。
構成要素2:作品紹介
2つ目の構成要素は作品紹介です。
作品紹介で気をつけなければいけないのが「かならずディスクリプション(説明文)を入れる」ということです。

これではその作品に対してのあなたの意図や工夫などが何も伝わりません。
たとえばWebデザイナー志望の場合、メインビジュアルの他に以下の項目を説明分として入れてみましょう。
作品紹介の項目の説明文
- 作品のタイトル
- プロジェクト名(クライアント名)
- 制作年月日
- 制作規模
- 制作期間
- 自分のポジションと担当した業務範囲
- 使用ソフトや言語等の制作環境
- コンセプト
- 工夫点
企業側が求める情報は、希望している職種や、企業が重要視している要素によって変わってきます。
たとえばWebディレクター志望の場合は「クライアントの要望を受けて、納期や予算を守り、なおかつチームやスケジュールを統率、管理する能力」が求められます。
ですので、説明文にもそれを示せるような「受注から納品までのスケジュール」や「各スタッフへの指示の内容」といった情報を記載する必要がありますよ。
自分の希望職種や応募企業によって情報の取捨選択をしていきましょう。
構成要素3:その作品への取り組み方
3つ目の構成要素は、その作品への取り組み方です。
構成要素2でも少し触れましたが、その作品への取り組み方を必ず入れるようにしましょう。
そうすることで、得意な制作スタイルや、基本的な仕事の進め方、仕事をするうえでの考え方や仕事の向き合い方が企業に伝わるようになります。

構成要素4:ビジョン
4つ目の構成要素はビジョンです。
応募者が明確なビジョンを持っているか、重視している企業は多いので記載するようにしましょう。
これから目指していきたい将来の方向性について明言することで、「将来や目標の達成に向けて頑張っているんだな」とプラスの印象を与えることができます。
ただし、「将来は〇〇で働きたい」のような書き方をすると、すぐ辞めそうと思われてしまうので「こういう風になりたい」といった将来像を書くようにしましょう。
ポートフォリオで効果的にアピールするコツ5つ
構成要素が分かったところで、ポートフォリオで効果的にアピールするコツを5つ紹介します。
要素がわかっていても順番や見せ方がちぐはぐでは、うまくアピールできませんので注意しましょう。
ポートフォリオをアピールするコツ5つ
- 見せる順番にこだわる
- バリエーションの違う作品を用意する
- ポートフォリオをひとつの作品として用意する
- クオリティの高い作品を厳選する
- 紙媒体とWebデータの両方を用意する
ひとつずつ解説していきます。
コツ1:見せる順番にこだわる
ひとつ目のコツは見せる順番にこだわるです。
基本的には、直近に手がけた業務、成果から作品を見せていくのが良いでしょう。
ただ、インパクトのある作品やアピールしたい作品がある場合は、時系列にこだわらず、面接官の目にとまりやすい前半に持ってくるのも有効です。
ポートフォリオの作成の労力や時間を考えると、企業に合わせて毎回順番を入れ替えるのは現実的ではありません。
基本的には直近のものから、自分が得意とするデザインをアピールできる、汎用性のある構成、順番にしておくことも大切です。
コツ2:バリエーションの違う作品を用意する
2つ目のコツはバリエーションの違う作品を用意するです。
多彩な作品を見せることで色んな課題に応えるスキルや応用性を示せたり、自分の得意なテイストを知ってもらうことができるのでおすすめです。



無理にバリエーションの幅を出す必要はないので、その企業がどういう人材を求めているか見極めて取捨選択していきましょう。
コツ3:ポートフォリオをひとつの作品として用意する
3つ目のコツはポートフォリオをひとつの作品として用意することです。
クリエイターにとって、作りこまれたポートフォリオは何よりも大きな武器となります。
多少面接の受け答えに失敗したとしても、ポートフォリオで魅力やスキルをしっかり伝えることができていれば結果や評価は違ってきます。
ポートフォリオをひとつの作品として用意するポイント
- 「何のための作品(ポートフォリオ)なのか」「誰が、どういう状況で、何を知るために見るのか」を意識するようにしましょう。
限られた時間の中で面接官が読むときに、読みやすいものになっているか、効果的なデザインになっているか、フォントが揃っているか、など作品を受け取る側の事を想定することが重要です。
しっかりとしたポートフォリオを作成しようと思うと時間と労力がかかるので、あり合わせの作品を数点持ち込むだけというような人も多くいるのが現状です。
その中で、受け手を意識した作品としてのポートフォリオを提出できれば、他の人に大きな差をつけてアピールができますよ。
コツ4:クオリティの高い作品を厳選する
4つ目のコツはクオリティの高い作品を厳選することです。
ポートフォリオに載せる作品数は10~20作品におさめるようにしましょう。
なるべくたくさん成果をアピールしたい!と思うかもしれませんが、掲載数が多すぎると一つひとつの作品に対する印象が薄れてしまいます。
面接官がパラパラとめくって見られるくらいのボリュームに留めるようにしましょう。
クオリティの高い作品を厳選する注意点2つ
- 作品数は少なすぎても多すぎても印象はよくないので注意が必要です。
- 数が足りないという場合でも中途半端な作品を載せるのはおすすめしません。
ポートフォリオはひとつの作品なので、全体を見た時の統一感やクオリティを重視し、数の不足は1作品あたりのボリュームを増やすなどして調整するようにしましょう。
市販の商品に対して架空のサイトやロゴ、パッケージを作って提案してみるのもひとつの手ですよ。
どういった部分を課題として捉え、それに対して自分がどういうコンセプトで取り組んだか伝わる内容にしましょう。
コツ5:紙媒体とWebデータの両方を用意する
最後のコツは紙媒体とWebデータの両方を用意することです。
最近は印刷物は用意せずにWeb上のポートフォリオで完結させるケースが増えていますし、面接時もタブレットやノートPCを持ち込んで作品を見せる人が増えているので、紙媒体の必要性は下がってきています。
とはいえ、どんな環境での面接、チェックになるか分かりませんし、不測の事態が起きてしまう可能性もありますよね。


転職エージェント「マイナビクリエイター」ならポートフォリオ作成のサポートあり
「なんとなくわかったものの1人で作りきる自信がない…」という人は転職エージェントの マイナビクリエイター
でポートフォリオ作成のサポートを受けることをおすすめします。
ノウハウを熟知した担当者がポートフォリオ作成の指導、アドバイスをしてくれますし、MATCH BOXというポートフォリオを簡単に作れるサービスも提供してくれます。
無料で利用できるので、悩んだ時は積極的に試してみましょう。
お手本となるポートフォリオ
実際に他の人が作ったポートフォリオを見てみたいという時には、クリエイターが手がけたポートフォリオサイトを見てみるのがおすすめです。
いくつかご紹介します。
お手本となるポートフォリオ1
- UNDERLINE
フリーランスのWebディレクター、Webデザイナーとして活躍する徳田優一氏のポートフォリオサイトです。
ポートフォリオサイトとしては珍しく自身の顔写真とメッセージをメインビジュアルにおいており、信頼性や親しみやすさを感じることができますね。
白を基調としたシンプルなデザインでありながらも、ブログなどの情報が過多になりがちな部分も収まりよくまとめられていて統一感があります。
サイトのアイコンの選び方や回遊性の高さがユーザーにストレスを感じさせない作りになっているのも素晴らしい点です。
お手本となるポートフォリオ2
- S5-Style
Webデザイナー、フロントエンジニアとしてキャリアを開始し、現在ではアートディレクション、空間デザインも幅広く手がける田淵将吾氏のポートフォリオサイトです。
画面全体に駆使されたアニメーションやBGMと連動しての画面遷移、クリックやマウスオーバーで様々なギミックが動き出すワクワクするような仕掛けに溢れています。
多彩な動きや音を採用しつつも情報が乱雑にならず、むしろ見やすくまとめられており、高い技術とセンスが凝縮されたサイトといえます。
お手本となるポートフォリオ3
- Mana
Web制作やWebデザインに関する情報を発信するブログ「Webクリエイターボックス」を運営するMana氏のポートフォリオサイトです。
これまでの実績、経験を直観的にユーザーに伝えることができており、シンプルで分かりやすい文章表現も特徴的です。
海外での仕事経験を持つMana氏のサイトは日本語と英語の表示切替ができる仕様になっており、国内・国外両方の顧客のユーザビリティを考慮したサイトになっています。
自分の目指す業界の第一線で活躍する人や憧れの人のポートフォリオを実際に見て、自分のポートフォリオ作成のヒントにしましょう。
【転職時のポートフォリオ】まとめ
【転職時のポートフォリオ】まとめ
- ポートフォリオはクリエイターにとって自分自身の魅力やスキルを表現する重要なアイテム
- 4つの基本構成、5つのコツをふまえて作ることで、効果的にアピールできる
- 好きなクリエイターのポートフォリオサイトを見てみたり、参考にすることで魅力的なポートフォリオ作成のヒントにする
いかがでしたか?
ポートフォリオはこれまでの作品をただ集めてまとめたものではなく、自己表現の為の重要なアイテムであることが分かりましたね。
基本構成やコツを踏まえたうえで、どうやったら相手に自分の魅力や能力が伝わるかを試行錯誤する事が大切です。
自分自身の集大成といえるポートフォリオを作成し、転職を成功させましょう。