挨拶がはじめての機会だと、どう挨拶をすればいいのか、注意するべき点などが分からなくて困ることがありますが、相手を不快な気持ちにしないことを押さえれば基本的にはなんでも大丈夫です。
新しい会社へ転職する際に必要な「退職時の挨拶」と「転職先での挨拶」について説明していきます。ポイントをざっと理解する程度に記事を読み進めてみてください。
退職時の挨拶を考える際のポイント
まずは例文を紹介する前に、退職時の挨拶を考える際に大切な7つのポイントについて説明します。
ネガティヴな内容を含まないようにする
もう退社するからといって、その会社への不満などをぶっちゃけるのはNG
確かに会社に出社する機会はなくなりますが、その後もなんらかの形で仕事をする事もあるかもしれないので、その時の感情を優先して毒を吐いてしまうと、結果的にあとあと自分が損をしてしまう可能性もあります。
もちろん嘘をいう必要はありませんが、わざわざ自分からネガティヴな内容を挨拶に盛り込む必要もありません。当たり障りのない内容を意識しましょう。
基本的に退職理由は「一身上の都合で」にしておく
上のポイントとも関連しますが、もし仮に退職理由が人間関係や労働環境への不満だったりしても、それをそのまま退職理由として伝えないように注意しましょう。
退職理由は「一身上の都合」と伝えるのが基本で、詳細を伝える必要はない
あくまでも退職の挨拶なので建前優先で問題ありません。
お世話になった人にしっかりと感謝の気持ちを伝える
建前優先で当たり障りない内容にするのが大事とはいえ、会社や自分の所属する部署のメンバーに恵まれて周りの人たちに本当に感謝している場合は、しっかりとその気持ちも伝えたほうが良いです。
あまり長くなりすぎない程度に感謝している旨を記載して、あとは個別に口頭で挨拶をして気持ちを伝えるようにしましょう。
今後については詳しく説明する必要はない
退職理由と同じく、次にどういった会社に転職するかなどの今後についても、とくに詳しく説明する必要はない
「これまでの経験を活かして今後も精進してまいります」など、こちらも無難な内容でまとめておきましょう。
もし個別に挨拶している際に聞かれた場合、次の職場を伝えるかどうかは、人をみて判断しましょう。
話す内容を簡潔にまとめる
話す内容はコンパクトにまとめるようにしましょう。
部署の人数が多い場合などは、そこまで関わりがなかった人も自分の話を聞く可能性があります。
そういった場で長々と自分の思い出などを語っても相手も困ってしまうので、印象に残っていることや感謝の気持ちを簡単に短くまとめるように注意しましょう。

勿論長すぎなのはダメだけど、短すぎてもそっけない印象になってしまうね。

会社の規模が大きい場合、口頭ではなくメールで済ませる場合もある
チームの規模などが大きい場合は、口頭での挨拶ではなく、メールで済ませるケースもあります。
基本的に内容はどちらの場合でも同じですが、特にお世話になった人に対してはメールだけで挨拶を済ませるのは失礼にあたるので、メールとは別に口頭でもしっかりと伝えるようにしましょう。
自分以外の退職者の挨拶文も参考にしよう
この記事と合わせて会社のほかの退職者の人が、過去にどのような挨拶をしていたかも参考にしましょう。
会社によって挨拶時の温度感などは違ったりするので、できるだけ自分の社内の退職者の例を参考にするほうが良いです。メールで挨拶している場合は、それぞれみなさんがどのようなポイントを盛り込んでいるのか遡って確認してみましょう。
退職時の挨拶のポイント
- ネガティヴな内容を含まないようにする
- 退職理由は「一身上の都合で」が基本
- お世話になった人にしっかりと感謝の気持ちを伝える
- 今後については詳しく説明する必要はない
- 話す内容を簡潔にまとめる
- 会社の規模が大きい場合、口頭ではなくメールで済ませる場合もある
- 自分以外の退職者の挨拶文も参考にしよう
退職時にする挨拶の例
上のポイントを踏まえた、退職時の挨拶の例文を、紹介しておきます。
退職時の挨拶 サンプルその1
この度一身上の都合により、本日をもって株式会社〇〇を退職することになりました。
〇〇には合計5年間在籍させて頂きましたが、本当に周りの上司や同僚のメンバーに恵まれたおかげで、なんとか途中でやめることなく続けることができました。本当にありがとうございました。
みなさんから教えて頂いたことを忘れずに、今後も精進していきたいと思っていますし、またお仕事でご一緒する機会があればとても嬉しいです。その時に恥をかかないよう、今後も頑張りたいと思います。
ささやかではございますが、陰ながら、今後も皆さんがご活躍されることを心よりお祈りしております。今まで本当にありがとうございました。
退職時の挨拶 サンプルその2
一身上の都合で、本日〇月〇日を持ちまして株式会社〜〜を退職することになりました。
これまで合計3年間この会社には在籍しましたが、とても優秀なメンバーが多く、本当に日々勉強の毎日でした。外資系クライアントの案件など、未熟な私に対して、様々なチャンスを与えてくださった事に本当に感謝しています。
同時にたくさんご迷惑をおかけしてしまい、本当にすみませんでした。
みなさんに教えていただいたことを忘れずに、今後も頑張っていく所存です。ささやかではございますが、皆様のご健康と今後さらなるご活躍を祈り、退職の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
転職先での挨拶を考える際のポイント
次は新しい転職先での挨拶について説明していきます。ちなみに挨拶を考える際に大切なポイントは全部で6つあります。
簡潔にまとめる
話す内容を簡潔にまとめるように意識しましょう。
目安としては30秒~1分くらいといわれています。退職時とは違い、基本的に他のメンバーは普通に他の仕事をしていて忙しい可能性が高く、話を聞く余裕がない人も多かったりします。
そんな状況で話が長いと「空気読めない人なのかな」と思われてしまうリスクがあります。できれば話すポイントを事前に複数用意しておいて、その場の空気を見ながら話す内容を調整するなど、工夫できるのが理想です。
前職での経験について触れる
「IT業界でコンサルタントをしていた」「医療機器メーカーで法人営業を担当していた」など、前職でどのような仕事をしていたかについても、触れるようにしましょう。
また、もしも異業種や未経験の職種に転職する場合は、未経験であることをしっかりと伝えるようにしましょう。そうすることで周りからのハードルも若干低くなります。
会社に対して魅力を感じている点や興味のある事
「商品企画がやりたくてこの会社に転職しました」「社外に向けた情報発信が盛んで自由度が高い所に魅力を感じました」など、具体的に会社のどういう部分に興味をもって転職してきたのかについても簡単に説明しましょう。
自分のやりたい事などをさりげなくアピールしておくと、あとでそのチームの人に声をかけてもらえる可能性もあります。
出身地や趣味などパーソナルな情報も入れる
出身地や最近はまっている趣味など、仕事以外の情報も簡単にいれるようにしましょう。仕事仲間とはいえ、まずは人間関係がベースになり、しっかりとコミュニケーションをとることが大切になります。

趣味だと重なる人が限定されやすいですが、お酒だと幅広い人と仲良くなりやすいですよ!

面接の時と同じ内容にならないように工夫する
基本的には面接で話した内容を、よりフランクに話すかたちになりますが、もしも面接を担当した上司がチーム内にいる場合は、面接ではまだ話していないこともあれば、一部盛り込むようにしましょう。
上司も挨拶でどういう内容を話すか注目しています。加えて、面接では聞けなかった初めての情報を聞けるほうが知っている情報も増えるので、単純にすでに聞いた内容をもう一度聞くよりもいいはずです。
挨拶する目的を見失わないように注意しよう
転職先での挨拶は、相手に自分の事を覚えてもらい、できるだけよい印象を持ってもらうことが目的です。その後のコミュニケーションにつながりやすい内容を選んで話すことを意識しましょう。
転職先での挨拶のポイント
- 簡潔にまとめる
- 前職での経験について触れる
- 会社に対して魅力を感じている点や興味のある事
- 出身地や趣味などパーソナルな情報も入れる
- 面接の時と同じ内容にならないように工夫する
- 挨拶する目的を見失わないように注意しよう
転職先での挨拶の例文
実際の挨拶の例文を紹介します。上で紹介したポイントと照らし合わせながらチェックしてみてください。
転職先での挨拶 サンプルその1
おはようございます。本日からお世話になります、佐々木○○です。何かとご迷惑をおかけしてしまうかと思いますが、早く慣れてしっかりとした戦力になれるよう努めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
前職はIT業界でコンサルタントを担当してきました。
この会社は企業規模が大きく、さまざまな業界のクライアントを担当できそうだと感じて今回転職してきました。ぜひみなさんに色々と教えて頂き、能力の面で劣らないように成長していきたいと思っていますので、どうかよろしくお願い致します。
ちなみにお酒はビールから日本酒までなんでもいけますので、ぜひ飲みに行く際は誘ってください。これからどうぞよろしくお願いします。
転職先での挨拶 サンプルその2
今日からお世話になります、坂本○○です。
前職ではおもちゃメーカーで5年ほどマーケティングを担当してきました。御社のWEBサービスをずっと利用していて昔からファンだったので今回転職してきました。
ちなみに出身は大阪で、趣味はロードバイクです。もし同じ趣味の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一緒できればと思いますのでよろしくお願いします。
私自身WEB業界で働くのは初めてで、WEBディレクターという仕事も未経験の職種になります。
何かとみなさんにご迷惑をおかけしてしまう事も増えるかと思いますが、1日でも早くメンバーの一人として、サービスの運営に貢献していきたいと思っていますので、どうかよろしくお願い致します。
口頭で挨拶できなかった人にはメールで挨拶をする
場合によっては、口頭で挨拶できなかった人や関連部署の人などに挨拶のメールを送るよう、上司から指示される事もあると思います。
その場合は「入社のご挨拶:〇〇部 佐々木○○」など、メールのタイトルだけで内容がわかるようにすることが大切です。タイトルが空欄だったりするとメールが読まれない可能性もあるので気をつけましょう。
内容に関しては上で紹介したポイントをおさえて作成すれば問題ありません。最後に「本来なら直接お伺いしてご挨拶をするべきところですが〜」というサポートも忘れないように注意してください。
転職初日に挨拶以外で気をつけたい事
転職先での挨拶は、自分の第一印象に影響する大切なものですが、自分の第一印象を左右するポイントは他にもたくさんあるので、プラスの印象をもってもらえるようにしっかりと準備しておきましょう。
当日の服装について
服装などの身だしなみは挨拶以上に、自分の印象に大きく影響します。
仮に挨拶に問題がなくても、スーツにシワや汚れがついていたりすると損をしてしまうので注意しましょう。スーツは前日までにクリーニングに出しておいて、靴は綺麗に磨いておくほうがいいです。
髪や爪などはどうするべきか
初対面の場合は、清潔感のあるスタイルを意識するのが一番無難です。
整髪料を使って髪を綺麗にセットしたり、髭をしっかり剃っておいたりするのを忘れないようにしてください。あと爪も意外と目につきやすいので細かい所にも気を使いましょう。
挨拶以外で気をつけたいポイント
- 服装は挨拶以上に影響大。身だしなみを整えておこう
- 髪や髭、爪は清潔感のあるようにセットしよう
まとめ
基本的にどちらも、いかにあたり触りなくこなせるかが大切です。また、長すぎず、短すぎないようにもしておきたいです。
転職先での挨拶は、自分の今後に直接影響するので、不安な場合は無理に冒険せず、手堅くこなしましょう!