この記事で解決できる悩み
- ローンがあっても転職できるの?
- ローンを組むのは転職前、転職後どちらがいい?
- ローンと転職はどう関係するのか知りたい
転職したいと思ってすぐに対応できない人は実は意外と多くいます。
そのひとつがローンを持っている人です。
とくに新築のマイホームなどを買った際には、30年、35年といった非常に長いローンを組んで、毎月少しずつ返していくというのが当たり前です。
そんなときに、ローンのことを考えると、転職に二の足を踏んでしまうというのは当たり前かもしれません。
高額のローン契約と転職はどのように考えたらいいのでしょうか。
また、どのような影響があるのでしょうか。
この記事では、転職でローンについての疑問や悩みを解決するために、転職とローンの関係について解説していきます。
ローンを組む前の転職ってお得なの?

転職後の方がローン査定の評価が上がる場合があるからってことで、その話が出回ってしまったかもしれませんが…。

基本的に転職する間にローンを組んだ方が評価は高い
基本的には転職する前にローンを組んだ方が、ローン査定の評価は高くなります。
これは、銀行がローンを組む際に注目する条件の中に、以下の項目があるためです。
ローンを組むときに注目される条件とは?
- 過去の借り入れ状況
- 勤務先
- 勤続年数
- 年収
基本的に長期ローンであればあるほど、銀行は回収リスクについて考えます。
毎月しっかりと返済スケジュールに合わせて返済してくれるのだろうか、何かトラブルがあったときには事前にコミュニケーションが取れるような誠実さはあるのだろうか、という部分を見極めることは必須といえるでしょう。
しかし、そうした部分はなかなか目に見えるデータとしては出てきません。そこで、どのくらい勤めているのかをデータから類推するしかないといえるのです。



金融機関によっては転職後6ヶ月になってから、改めて年収の情報を聞いてくる場合もあります。
さらに多くの場合、この直近の半年の年収にはボーナスが加算されることになるため、年収が高めに評価されることになります。
転職後すぐにボーナスが出ることは、ほとんどないと考えると、この点でも転職する前のほうが有利です。
転職後すぐにローンを組むことは、あまりおすすめできないことがわかるでしょう。
金融機関が何を基準に査定しているのか、どんな条件があるのかを理解することで、どんな場合に有利になるのか不利になるのかはおのずと見えてくると思います。
転職後に評価が上がる場合もある
金融機関が、その転職はキャリアアップのために行ったと判断した場合、評価が上がることがあります。
では、キャリアアップであると判断する条件とは何でしょうか。
それは、同じ職種に転職しており、年収が上がることが証明できることです。
また、業種によっては、同じ業種であるというだけでもキャリアアップと評価されることがあります。
これは業種によって、会社組織が硬直的に統一化されてしまっており、勤続年数ではなく、業種内でどのくらい長く勤めているかがポイントとなってくる業種があるためです。
士業などの場合はこの条件を満たす傾向が強くなります。
また、派遣社員から正社員になった、一般的なサラリーマンから弁護士や公認会計士になった、と明らかに肩書が変わり、より安定的な収入を得る可能性が高まったと判断され、キャリアアップとして評価してくれることもありますが、これはかなり例外的なもののようです。
もし、業種が変わったけれども、明らかに年収が上がっている場合には金融機関はどのように考えるのでしょうか。
残念ながらこの場合は、あまりキャリアアップとして見られない傾向があります。理由としては、転職後にどうなっていくのか、金融機関が今後の仕事の状況を読み切れないためです。
こうしたリスクを勘案すると、金融機関としては、年収が上がったことを以てキャリアアップと認識するのは難しいと考えているようです。
ローンを組んでいても転職はできる?

でも、ローンの審査中に転職や、転職後に給料が下がってしまったときには注意が必要です。

ローンを組んでいるときに転職する場合、以下の3つの内容が関係してくるでしょう。
ローンを組んでいるときに関係してくる内容3つ
- 月々の返済への影響はあるのか
- ローン査定中に転職は可能か
- ローンと転職の関係で注意しなければならない点
月々の返済への影響はあるのか
ローンを抱えている状態での転職については、基本的に影響はありません。
銀行が注目していることは、「月々の支払いがスケジュール通りにこなされるか」というものであり、「どこの職場に勤めているのか」はそこまで重要ではないからです。
ただしローン査定中のみ、この点が注目されます。ローンの査定が終わって以降は特段大きな問題とはならないでしょう。
ローン査定中に転職は可能か
これは非常に難しい問題がはらんでいます。
基本的に、ローン査定のときに提出する書類については、現在勤めている会社を前提に評価しますが、ローンの支払いが始まったときにはその会社ではなく転職後の会社の収入を元に支払いがスタートするので、金融機関側としては話が違うとなってしまうでしょう。
ローン査定中の転職を金融機関に一切伝えなかった場合、「書類に虚偽の報告をした」と判断されてしまうことも多く、ローン解除や一括での返済を求められることすらあります。
ローン査定のための書類に虚偽の記載をすることは、非常に悪質であると捉えられてしまうと、詐欺罪となってしまうこともあり、細心の注意が必要です。
もし仮にローン査定中に転職をする場合は、速やかに金融機関側にその旨を伝え、いったんローンの査定自体を止めてもらいましょう。
このやり方が、その後のトラブルを未然に防ぐためには必要となるのです。
ローンと転職の関係で注意しなければならない点
ローンと転職で注意しなければならない3点です。
ローンと転職の関係で注意しなければならない3点
- 転職後、基本給が下がってしまった
- 転職理由は倒産?リストラ?
- 健康上の問題で転職する際も大きなリスクに
転職後、基本給が下がってしまった
転職後、基本給が下がってしまった場合は、速やかに銀行に相談しましょう。
実際問題として、隠していても何もいいことはありません。
銀行側としても、月々の支払いに影響を与えることになるため、柔軟に対応してくれるはずです。
たとえば、少し繰越で支払うといったことができるかもしれません。
この場合は、元本が少なくなる関係で、利息が減るため、この利息分少しのあいだ今まで想定していた月々の支払いを減らすといった対応が可能になります。
また、支払いの延長を以て月々の返済を減らすということも可能かもしれません。
ただし、この場合は、ローン査定の際に「ローンの支払い終了時に、支払う人は何歳になるのか」という非常に重要な項目に影響してくるため、銀行側もあまりいい顔はしないでしょう。
転職理由は倒産?リストラ?
続いて気になるのが転職理由です。
先述したように、キャリアアップを目的とした転職であれば、むしろ前向きに評価してくれる金融機関ですが、転職理由が倒産やリストラといった後ろ向きの理由だった場合はどうなのでしょうか。
次の転職先がなかなか見つからなかったり、見つかっても年収自体が下がってしまったりすることが多いため、金融機関側もやはりマイナスな意味で考慮せざるを得ないというのが現実です。
特にリストラの場合は、今まで受け取っていた年収が、自分の実力よりも多すぎたという証拠にもなってしまうため、かなり厳しい状況になります。
健康上の問題で転職する際も大きなリスクに
最近では、うつなどの健康上の問題で転職する人も増えてきました。この理由の場合も、やはりあまりいい印象を持たれません。
健康上の問題というのは、もし何かあれば…といった状況でもあるので、金融機関が求めている「安定して返済」という条件に陰りが出てきます。
最初のローン査定において、「ローンを組む当人の健康状況」というのは、重要な評価項目であり、大きな病や毎月の通院歴などがあると、あまり評価が上がらないことが多いです。
ローンを組むときは健康そのものだったが、少ししてから大病を患ってしまったといった状況の場合、やはり金融機関側としては評価を改める必要がある、と考える可能性が非常に高いといえるでしょう。
車のローンについて
今までは主に、金額の大きな住宅ローンを前提に話を進めてまいりましたが、車のローンと転職の関係についてはどうでしょうか。
基本的に、車のローンも住宅ローンもどちらも金融機関である以上考え方は同じで、転職前に査定を行い、転職後に年収が下がったり、ボーナスが出なくなることによって、支払い能力に問題が発生したときに報告すればいいということになります。
車のローンについては、住宅ローンの査定が終わってから行うと、より通りやすい傾向にあります。
これは、車のローンよりも厳しい条件の住宅ローンが通ったから大丈夫だろうと、判断する傾向があるためです。
ただ、転職歴が多かったり、直近で転職していたりする場合は、審査が厳しくなるのは間違いありません。
ご利用は計画的にという言葉もありますが、まさに転職は計画的に行うことで、様々な問題に対処できるものといえるかもしれません。
【転職とローンの関係】まとめ
転職とローンの関係のまとめ
- ローンは転職前に組むのがおすすめ。ただし、転職後の方が良いケースもある。
- 同職種に転職すればキャリアアップと認められることが多い。
- 転職後、給料が下がってしまった場合は早めに金融機関に相談しよう。
金融機関は「返済スケジュールを守ってくれるかどうか」を見ています。
返済スケジュールを守れるのであれば、転職をしようがしまいが、環境が大きく変わろうが特段問題はありません。
ただ、転職によって転職活動中だけでなく、転職先が決まり会社が変わった後も、一定期間不安定な状況になっていることは否定できないでしょう。
こうした不安定さに対して、無理をせずに誠実なコミュニケーションをとっていくことで、お互いに良い話し合いができるはずです。
虚偽の報告をするというのは非常に危険です。
転職とローンについて悩んでいる場合は、金融機関の職員に相談してみることをお勧めします。