最近SNSやメディアで、「フリーランス」という仕事を目にすることが多く、「フリーランス」で独立して生活できるのか、成功するにはどうしたらいいのか、と思ったことはありませんか?
そんな人のために、ここではフリーランスになるために必要なさまざまな情報を紹介します。
フリーランスとはどんな仕事形態なのか?
フリーランスってどんな仕事?
フリーランス
特定の会社や団体、その他組織に雇用されるのではなく、自分の技能・技術や知識といったスキルを武器に、案件ごとに契約して、業務を請負・委託の形式で仕事をする人
実際には、継続して複数の案件を受注する場合は、プロジェクト形式をとって、単発ではなく、一定の期間で更新契約をするケースも多いでしょう。
報酬の支払い方や契約の解除やその他様々な決めごとは、契約書を作成する際に話し合って定めましょう。
フリーランスは、合名会社や法人以外は、個人事業主に区分されます。ただし、これは税法上の区分に過ぎず、フリーランス=個人事業主というわけではなく、あくまで、個人事業主の範疇にフリーランスを含めたにすぎません。

フリーランスの語源は、英語の“freelance”です。英訳すると、“free”の“lance(槍)”、つまり「戦いごとに報酬を得る傭兵」という意味です。
フリーランスは戦いごとに槍を武器に戦う傭兵のように、自分のスキル(槍)を武器にクライアントの望む仕事(戦い)を遂行し、クライアントに利益(戦いの勝利)をもたらす仕事なのです。
フリーランスとはどんな職種になるの?
「フリーランスの仕事内容は?」と問われても、一概には言えません。
フリーランスとは、企業や組織に全く所属せずに、自分のスキルを武器に仕事を請け負う人です。他人よりも優れたスキルを持っているあなたに、依頼者が報酬を払ってでも「あなた」に依頼したいと思えば、あなたはフリーランスとして仕事の請負契約をすることができるのです。
POINT
あなたのスキルに対する需要 請負契約として仕事が成立
- IT・エンジニア系
- デザイナー系
- ライター系
- エンタメ系

フリーランスはリスクが高い仕事って本当?


こういった声もよく聞かきますが、フリーランスで生計を立てて楽しい人生を謳歌している人もいます。
そこで、フリーランスで働くメリットとデメリットについて考えてみましょう。
フリーランスで働くメリット3つ
メリット
- 自由な働き方ができる
- 働いた分だけ報酬となる
- 定年の概念がない
メリット1: 自由な働き方ができる
フリーランスで働く1番大きなメリットは、自分のライフスタイルを崩さずに、自分のスキルを武器に自由な働き方ができるということです。
通常、組織に雇用されている場合は、組織のルールに縛られて、組織の始業・終業時間にライフスタイルを合わせなければなりません。

メリット2: 働いた分だけ報酬となる
仕事も自由に選ぶこともできますし、働いた分だけ報酬となるので、その分モチベーションが上がります。
メリット3: 定年の概念がない
定年の概念がないので、仕事をする体力があり、あなたのスキルに需要がある限り、続けられます。

フリーランスで働くデメリット5つ
デメリット
- 仕事は不安定な上に労働基準法の適用がない
- 健康管理は自己責任
- 仕事のスケジュール管理をしっかりやらないといけない
- 仕事のトラブルの対処も自己責任
- 仕事だけやっていれば良いのではなく、営業や経理も含まれる
デメリット1: 仕事は不安定な上に労働基準法の適用がない
労働基準法の適用がないので、長く続いた契約が突然理不尽に解除されても、その補償は契約書に頼るしかありません。契約書が不十分だとクライアントとトラブルが生じて、話し合いが成立しない場合は、泣き寝入りか裁判で争うしか自分を守る方法はないでしょう。

- 仕事がない
- 仕事があっても十分な報酬が得られない
- リピートに繋がらない
となってしまうと、安定した収入を得続けるのは、フリーランスでは非常に難しいことなのです。
契約が突然解除されても、契約を更新されなくても、助けてくれる雇用保険(失業手当・傷病手当さまざまな給付)は適用されません。
フリーランスは労働者ではなく、事業主に該当
雇用保険・健康保険・厚生年金・労災保険の適用もなく、仕事中に怪我をしても通勤災害や労災の対象にもならない
また、労働時間、休憩・休日の概念がないので、仕事の納期がどんなにタイトでも契約通りに納品しなければなりません。時間外労働・休日労働の手当はないので、タイトなスケジュールの依頼には、自分で交渉して少しでもスキルを上げて、条件の良い契約を勝ち取る必要があります。
労働者ではないので、当然国の定める最低賃金は適用されません。報酬の契約は、自分のスキルの実力・実績とあなたの交渉力にかかっているのです。
かなりの報酬を得ている成功者がいる一方で、先の保証もなく生活を維持するのもやっと、という非常に不安定な生活をするしかない人もいるのです。
デメリット2: 健康管理は自己責任
体調を壊して納期が守れなかった場合、信用を失い、即仕事を失う
雇用保険・社会保険・労災の適用がないので、体調を壊して入院でもしようものなら、収入は途絶えてしまいます。自分で任意保険を充実させるしかありません。

デメリット3: 仕事のスケジュール管理をしっかりやらないといけない
仕事のスケジュール管理をしっかりやらないと、納期に追われて過労死なみのオーバーワークとなり、寝る暇もない24時間労働になる可能性も否定できません。
こうなっては、嬉しい悲鳴を飛び越えて、過労死してしまうリスク発生です。あるいは、納期を間違えた、納期に遅れたなんて、信用を失うことにもなりかねません。
リピーターや紹介を得て仕事の受注を安定させるには
クライアントを満足させる仕事を契約納期通りに納品する必要がある
デメリット4: 仕事のトラブルの対処も自己責任
契約書を交わすとき
労働条件・報酬だけでなく、仕事のトラブルが起きたときの用心のためにも、契約解除の方法や契約書を交わすときの賠償責任の内容を充分吟味しなければならない

契約途中で契約した会社が倒産したり、報酬を払って貰えなかったり、詐欺のような契約内容だったとしても、全て自己責任なのです。
デメリット5: 仕事だけやっていれば良いのではなく、営業や経理も含まれる
営業も確定申告も自分でやらなければなりません。
どんなに商売の才能があっても、スキルが高くても、依頼者は人間なので、人間関係を良好にするコミュニケーション力が大切です。フリーランスでいる以上、営業力も必須なのです。
契約書や請求書、経費の記録の作成も自分で行う必要があります。
営業や経理といったこれらの作業は、フリーランスでは報酬に繋がる点で重要ですから、営業や経理仕事が苦手な人は、それらの仕事が得意なマネージャー的な補佐をしてくれる人と一緒に仕事をするのもお勧めです。
POINT
- フリーランスは「自己管理・リスク管理が大変」
- 自分のマネジメントや業務のマネジメントを一手に引き受け対応する必要がある

フリーランスが多い仕事内容と収入について
IT・エンジニア系の仕事内容と収入の見込み
昨今のIT社会の進化は目覚ましく、ITの市場はどんどん大きくなっています。
とくに、ITを導入していない会社は無いと言っても過言ではなく、会社の業務に適したさまざまな専用ソフト等のアプリケーション設計の他、さまざまなプログラム言語を使ったシステムの構築が必須ともいえます。
そのため、IT・エンジニア系の仕事の市場は広いといえます。
プログラミングの能力によって収入の差があり、マイナビの「 2018年版 職種別 モデル年収平均ランキング(※)」によると、平均415万円から1,000万円を軽く超える人までいます。
また、ネットワークのサーバーやネットワークの設計・構築から運用・保守・点検までを総合的に行なうインフラエンジニアもいます。こちらも、業務内容の幅の差によって400万~900万円と年収の幅が非常に大きく開いています。
厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査(※)によると、システムエンジニアの平均年収は550.8万円、平均年齢は38歳、月収37.5万円、賞与100.4万円です。
プログラマーは、年収416万円、平均年齢32歳、月収29.7万円、賞与59.9万円です。
マイナビや厚生労働省のこれらの調査は、フリーランスだけでなく、サラリーマンも合わせた平均年収です。
1件当りの報酬は、案件によって異なりますが、最低でも50万円以上といわれています。仕事を依頼したいクライアント側としましては、会社のシステムの中核をお任せするわけですから、もしも何か損害が出た場合の補償がないと安心して依頼できません。


POINT
- IT・エンジニア系の市場は広く需要がある
- 案件によっては直接企業の業績にかかわるものもあるため、クライアント側から高い要求をされる可能性がある
- 今まで携わってきた実績や培ってきたスキルと営業直・交渉力が重要
デザイナー系の仕事内容と収入の見込み
マイナビの「2018年版 職種別 モデル年収平均ランキング(※)」によると、WEBサイト・インターネットサービス系のプログラマーは、582万円~654万円となっています。


このときの営業力とは、コミュニケーション能力がものをいいますが、重要なことは次の2つです。
- クライアントの漠然とした要望から、的確に希望・好み・目的等を総合的に判断したクライアントのニーズに寄り添える想像力
- 専門用語のわからないクライアントに、提案内容を具体的にわかりやすく解説できる話術
いくら自分が素晴らしいと思う成果物でも、クライアントのニーズに合っていなかったり、気に入らない、よくわからないという印象を持たれたら、「センスがない」「スキルが低い」に等しい評価となるわけです。
スキルと営業力があれば、サラリーマン時代よりも大きな収入が得られる可能性大です。
デザイナー系の仕事で重要なこと
- スキル
- クライアントの依頼内容からニーズを読み取る力
- 技術的な内容を分かりやすく説明するなどのコミュニケーション能力
ライター系の仕事内容と収入の見込み
マイナビの「2018年版 職種別 モデル年収平均ランキング(※)」によると、記者やライター、編集・構成は474万円です。このモデル年収も、フリーランスだけでなく、出版社や広告代理店等の企業に属したサラリーマンが含まれています。
WEBライター・紙媒体のライター、編集者、シナリオライター、コラムライター、小説家等、ライター系の仕事は非常に幅が広いです。
- 使い捨てライターと呼ばれる「1文字○円ライター」や1記事数万円のライター
- 専門職の知識と経験と人脈によって仕事を展開している人もいれば、1記事100円未満ライターから1本数万円の有名コラムライターに大出世した人
- 元新聞記者の取材記事や大手出版社の元有名ライターや有名編集者の記事は、企業に属していたときの人脈もありますので、1本10万円~数十万円で書く人
- 有名人のスキャンダル、事件記事等、社会問題等々内容はさまざまですが、需要があれば紙媒体の雑誌等で1本数百万円となる記事を書く人
- ブログやSNSから有名シナリオ作家や小説家となった人
ライターの仕事は、本当にピンからキリまでです。
文章が得意な人が副業としてお小遣い稼ぎ程度の報酬が得られればいい程度なら、クラウドソーシングに登録して、仕事内容も報酬も選ばなければ依頼には事欠かないでしょう。
隙間時間にコツコツ記事を書いていけば、「塵も積もれば山となる」方式で簡単に目標額達成です。しかし、家計を支えるには、単価が低い記事では徹夜をしても間に合いません。
ある程度の記事単価(10,000円以上)の仕事を受注できるようになるには、よほどの実績と人脈がないと難しいでしょう。


ライター系の仕事では
- 専門的な知識について勉強したり、文章能力を向上させる努力が必要
- チャンスを逃さないように仕事で出会った人とのコミュニケーションはおろそかにしないようにする
販売系の仕事内容と収入の見込み
ECサイトのショップのオーナーになったり、自分で作った物や発明品を自身のショップやサイトで販売する方法があります。
ECサイトのオーナーの場合は、年収100万円程度から、2つのECショップを運営して年商数千万円を軽く稼ぐような人までいます。
手作りのアクセサリーやファッションの小物、ハンドメイドの作品やパンやケーキ等々、とにかく手作りの商品をショップや自身のサイトで販売する方法は、趣味で販売している人が多いので、材料代に毛が生えた程度の安い金額で、お小遣い程度の収入を得ることから始めるようです。
注文が多くなって、ネット上で有名になると、デパートや専門店の相場価格やそれ以上の価格で販売できる人もいます。ECサイトのオーナーとなって自身のハンドメイド商品を販売することもできます。さらに、スポンサーがついて商品化したり、出版社から作り方の本の出版の相談があったり、講師等の依頼まで来る人もいます。

販売系の仕事は…
- 初めから大きな収入を得るのは難しい
- 多く稼ごうと思うとクリエイティブ能力やプロデュース能力が必要
エンタメ系の仕事内容と収入の見込み
アナウンサーやモデル・俳優・女優・声優など
マイナビの「2018年版 職種別 モデル年収平均ランキング」によると、アナウンサー、イベントコンパニオン、モデル、声優等は519万円です。このデータは、モデル事務所等に在籍している場合の年収がほとんどで、いわば所属事務所の取り分を差し引いての年収です。

フリーになると、それらのことを全て自分でやることになり、営業や出演交渉等の問題でさまざまなリスクもあるんだ。

カメラマン等映像の仕事
マイナビの「2018年版 職種別 モデル年収平均ランキング」によると、制作関連技術者(カメラ・照明・音響)のモデル年収は429万円とあります。





エンタメ系の仕事では
能力が必要なのはもちろんですが、前提として知名度のある媒体への露出などで有名になる必要がある
SNSの普及で突然有名になることがないとは言い切れませんが、確率が高いとは言い切れないでしょう。
フリーランスで仕事をする前に知っておきたいこと まとめ
フリーランスで仕事をすることで重要なのは、自分のスキルセットを把握して、まず冷静に考えることです。
自分がフリーランスになったら、どのように対応できるのか、コミュニケーション能力やマネジメント能力に不安はないか、自分で自分のことを管理する必要があるからこそ、見極めが必要です。
もちろん自分だけで解決するのではなく、誰かにサポートをお願いするのもいいでしょう。

自分で自分の世界を切り開いていける人こそ、フリーランスに向いているのではと私は考えています。
ここまで読んで「フリーランスになりたい!」と思っている人がいれば、次にこちらの記事に目を通して頂けると嬉しいです。
【自由に仕事をしたい!】フリーランスで働くためにやること
この記事があなたにとって有益な情報となれば幸いです。