そろそろ30代にさしかかろうというタイミングで、転職を意識し始めている人も多いのではないでしょうか。
しかし、「30代の転職って実際有利なのだろうか?」と不安になることも多いですよね。
そこで今回は、30代の転職で抱えがちな不安は実際どうなのかについてから、転職を成功させるために重要な3つのポイントについてご紹介していきます。
30代に多い転職理由は?
転職に至るまでの理由は人それぞれですが、30代が転職理由としてあげるものはどんなものが1番多いのでしょうか。
以下は大手転職エージェントdoda(デューダ)が発表した30代の転職理由ランキング(2018年)の表です。
順位 割合 転職理由 1位 13.7% 他にやりたい仕事がある 2位 13.5% 会社の将来性が不安 3位 11.3% 給与に不満がある 4位 7.1% 残業が多い/休日が少ない 5位 5.4% 専門知識・技術力を習得したい 6位 4.1% U・Iターンしたい 7位 4.0% 幅広い経験・知識を積みたい 8位 3.7% 会社の評価方法に不満がある 9位 3.3% 業界の先行きが不安 10位 3.3% 市場価値を上げたい
1位は、「他にやりたい仕事がある」という理由で13.7%、2位は「会社の将来性が不安」で13.5%とこの2つの理由がトップで占めています。
また3位以下は、「知識や経験を積みたい」、「市場価値を上げたい」といった前向きな理由から、「給与」や「休日の少なさ」などの待遇面への不満が主な理由として見受けられました。
キャリアアップを重視して経験を積みたい、または待遇を向上させたいなどの理由が多く、働き盛りである程度経験も積んできた、30代という年齢を利用して、今いる環境よりも良い待遇を受けられるようなところで仕事をしていきたいというのが転職理由から感じられますね。
30代の転職は採用担当者からも注目される?
30代はキャリアについて悩むことも非常に多くなる年齢です。最近では、企業側も30代の転職者を積極的に採用しているところが増えてきています。
なぜ30代の転職者が企業側から注目される傾向にあるのかについて、20代、30代、40代の転職時に抱かれやすいイメージを比較しながら知りましょう。
20代の転職者の良いイメージ
まだ若くこれからの伸びしろが十分にあるポテンシャルを持っており、数年教育して行けば、戦力として活躍していけるというポジティブな面があります。
20代の転職者の良くないイメージ
その反面、実績を出せる人材かどうか見極めるのが難しいことに加えて、経験が浅く、即戦力としては使いにくいというデメリットな面もあります。
40代の転職者の良いイメージ
豊富な社会人経験があることに加えて、前職で学んだことの専門性の高さや、マネジメント能力、管理職としてのスキルがあるということで、スキル面でのメリットは非常に大きいです。
40代の転職者の良くないイメージ
自社に40代で転職してきて、馴染むことができるのかといった点と、給与ベースが基本的に高いので、採用コストがかかってしまうなどのデメリットもあります。
30代の転職者のイメージは?
ある程度20代のうちに経験を積んできていて、即戦力への期待のイメージが非常にしやすく、経験のある人であれば、マネジメント能力などもついているのでリーダーシップを持っていることも期待されます。
30代はあまりデメリットのイメージが無く、かなり転職するのに有利な年齢であるといえますね。
30代が転職で感じる不安って?転職者の回答も!
30代での転職で感じる不安というのは、どういったものなのでしょうか。
以下のリクナビが転職者に聞いたデータを元に転職にまつわる不安に対する回答についてみていきましょう。
30代での転職活動は不利なのか?
みんなの回答
- 不利とは感じなかった(50.4%)
- 不利だと感じた(31.9%)
- どちらとも言えない(17.7%)
30代の転職活動で、不利とは感じなかったと答えた人が約半数近くとなっており、やはり30代の転職はどちらかと言えば有利ということが分かります。
ただ、ある程度の経験がベースになっているので、面接では経験を重視して語るようにしましょう。
30代での転職で年収は上がるのか
みんなの回答
- 上がった(46,6%)
- 下がった(37.6%)
- 変わらなかった(15.6%)
やはりキャリアアップを考えて転職する30代の多くが気になっているのが、転職して年収が上がるのかどうかについてですよね。
回答としては、年収が上がったと答えた人は46.6%となっていて、年収が上がった人の方が多いことが分かりました。これは転職を考えている人にとっては、朗報ですよね。
30代から未経験職種への転職を目指すのは厳しいのか
みんなの回答
- かなり難しい(37.0%)
- やや難しい(29.3%)
- そこまで難しいとは感じなかった(26.1%)
- 全く難しくなかった(5.4%)
- 厳しかったので諦めた(2.2%)
未経験職種へ30代から転職するのは、難しいようです。
先述したように、30代ともなれば、企業側も即戦力として応募者を見ているため、未経験から30代が入ってきても自社にあまりメリットがないと感じてしまいます。
ただ、30代までに培った自分のスキルや経験をアピールすることで、貢献できることはあると思うので、自分の強みを理解しておくことは非常に重要です。
30代の転職で、入社した後にハンディを感じることはある?
みんなの回答
- ハンディは感じない(75.4%)
- ハンディを感じる(24.6%)
75%以上もの人が入社後に特別ハンディを感じたことはないと、回答しています。
若い同僚に対して引け目を感じる瞬間はあるようですが、仕事に慣れるまでの辛い時期を乗り越えていけば、自然に解決していく問題なのかもしれません。
転職活動期間はどのくらいか?
みんなの回答
- 1〜3ヶ月(40.6%)
- 1ヶ月以内(21.1%)
- 3〜6ヶ月(20.3%)
- 6ヶ月〜1年(14.3%)
- 1年以上(3.7%)
およそ3ヶ月以内と答えた人が全体の約6割と、意外と転職活動はすぐに決まってしまう印象です。
もし転職活動を短くしたいのであれば、転職のための時間をあらかじめ決めておくといいかもしれません。
転職を成功させる3つのポイント


転職成功の3つのポイント
- なぜ転職をしたいのか理由を明確にする
- 自己分析をしっかりと行う
- 転職先の社風を確認しておく
転職成功のポイントは、下記の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【年代ごとの違いとは?】転職成功のポイントについて紐解きます
転職体験者の体験談
これから転職する人が気になるのは、やはり転職体験者のリアルな感想ですよね。エン転職の転職体験レポートから転職体験者のリアルな声をいくつか抜粋してきました。
これから転職する方は、転職した方がどんなことを考えているのかを知っておくと、転職後のゴールが見えるため参考にしましょう。
30代前半男性(海外営業→マーケティングプランナー)
・転職理由
自動車業界の変革を迎えようとしている中で、先進的に取り組まれている会社で、自動車とともに自身もキャリア成長したいと考えたため。
元々は自動車パーツのメーカー勤務でありましたが、パーツ単体では今後の自動車業界の変革に対してできる事が限られ過ぎていると実感。
入社以来尽くしてきた一社への思い入れは強いが、今後の可能性拡大の為に、自動車メーカーの日本法人で経験を積んでみようと思い立ちました。
・転職活動と内定まで
志望度が高い企業の面接になればなるほど、緊張してしまう点に苦労しました。
そういった企業に対しては、事前の企業研究も面接のケース想定もどんどんはかどる割には、本番で実力を出しきれずに選考・面接がうまくいかなかった企業も多くありました。
ただ、それはそれで相性が悪かったのだ、と前向きに考えるようにしました。
あと、自分自身があまりに正直すぎて聞かれた質問に対して、「これから対応します」とか「それはできませんが、御社の為にできることは○○です」など前向きな事へすぐ切り返せたら良かったものの、悩みこんでしまう時などがありました。
「緊張しているので、少し時間をください」と正直に間をおいて考えられるときには、面接がうまく行った気がします。
30代後半男性(マーケティングリサーチ→マーケティング・販促企画)
・転職理由
現職企業の経営方針で私が推進していた事業を他へ引き継ぎをし、新部署へ異動が決まりまったく別の業務を1から立ち上げることとなり、外の企業も検討できる良いタイミングとなったため。現在の会社では新しいチャレンジが行えない企業環境となったと感じたため。
・転職活動と内定まで
初めての転職活動だったので、職務経歴書の書き方に慣れていなかった。エージェントの方にアドバイスをもらいながら、修正を重ねて自身がアピールできるものに仕上げていきました。
また、面接対策も具体的でテクニック的なこと以上に、自身の棚卸しをするのに大変良い機会でした。
失敗談いうよりは、コンサルファームに書類応募したのですが、書類選考まったく通過せず、コンサル業界はもう参加できない業種なのだ、ということが良く分かりました。
成功談としては現職よりもかなり高い評価をしていただき、年収が大幅にアップしました。働くモチベーションとしても年収に見合った、もしくはそれ以上の働きをしたいと気持ちが高まりました。
30代女性(管理部門→会計・税務)
・転職理由
年功序列の社風で仕事を任せてもらえない、自分の実力を試すことができない社風だったため。社内でセクハラ等が横行していたため。社内でコンプライアンスに抵触するような経営陣の行動を垣間見てしまったため。
・転職活動と内定まで
まずen middleに登録。職務経歴書のアップデートが大変だったが、久しぶりの更新だったためゼロから文章、構成を見直した。
友人等にアドバイスももらった。どのような転職先がいいかハッキリとしたイメージもなかったため、転職先を決める大きな軸をいくつか決めてからはその軸に少しでも触れる案件はかたっぱしから受けていった。
人に会わないとわからないことが多いし、色々な企業を比べることは企業やビジネス・人を見る目も養われるため、様々な会社を受けたことは良かったと思った。
苦労した点はスケジュール管理。1週間に7件の面接を行ったときはさすがに体力、精神力がきつかった。しかし集中して活動した方がいいと思う。エージェントだけでなく友人づたいでいろいろな人に会ったことも知見が広がり良かった。
転職に便利なおすすめサービスは?
しかし、いざ転職となった時にどのようなサービスを使ったらいいのか分からない方が多いですよね。
求人媒体と言っても本当にいろいろなものがあります。30代の転職で使われる主なサービスを大きく2つのカテゴリに分けて、それぞれの特徴をご紹介していきます。
転職サイト(リクナビNEXTなど)
転職サイトで1番大きいのは、 リクナビNEXT
です。
転職サイトで探す場合、登録した後スマホやPCで簡単に応募することができて、スカウトなどのマッチングサービスもあり、非常に使い勝手がいいことで知られています。
デメリットとしては、エージェントと違って転職先について相談したりすることができず、転職先の情報が掴みにくいです。
転職エージェント(doda、リクルートエージェントなど)
転職する方は、 doda
や リクルートエージェント
といった転職エージェントに登録するのが、割と一般的であると言えます。
メリットとしては、案件の紹介から模擬面接まで多くのサポートを受けることが可能であるということで、転職のプロであるエージェントが付いてくれるので、非常に心強いです。
また、事前に必ず電話か面談でのミーティングが必要になるので、注意しましょう。
まとめ
転職を成功させる3つのポイント
- 転職したい理由を明確化する
本当に転職しないと問題が解決されないか、も考える - 自己分析をしっかりとする
自分の過去と将来をまとめておく - 社風は絶対に確認する
自分が馴染める会社かどうか見極める
今回は、30代の転職について、転職を成功させるポイントと、転職の現状などを踏まえて解説していきました。
30代は自分のキャリアと向き合って悩む時期なので、転職をする人もとても多いです。この年齢の転職はキャリアに大きな影響を及ぼすことになるので、自分自身としっかり向き合って、いい転職ができるようにしましょう。