この記事で解決できる悩み
- 契約社員として働くメリットが知りたい。
- 契約社員として働くことにはどんなリスクがあるの?
- 正社員と契約社員の違いを知って、自分に合う働き方を選びたい
求人情報を見ていると、正社員やアルバイトと並んで求人件数が多い働き方が契約社員です。
一般的には不安定なイメージが強い契約社員ですが、実際はどうなのか、転職の際の選択肢として契約社員を選んでも後悔しないか気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、契約社員として働くうえでのメリットと、リスクについてご紹介します。
正社員との違いを知って、自分に合った選択ができるようにしましょう。
契約社員と正社員の違い
契約社員とは、企業と期間を定めた労働契約(有期労働契約)を結んで働く社員のことを指します。
企業と労働契約を結ぶ点では正社員と同じですが、正社員の場合は雇用期間の定めがないのが大きな違いのひとつです。
一方、月給や勤務時間については、正社員と同じであることが多く、社会保険に関しても正社員同様、加入条件を満たしていれば強制加入となります。
定められた労働期間が終了した時、そのまま雇用契約が終わってしまう可能性があることが、契約社員の不安定なイメージの大きな要因といえますね。
契約社員に賞与や退職金はあるの?
結論から言うと、務める企業の契約内容と業務内容によってこれらは変わってきます。
同一労働同一賃金の原則(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善などに関する法律(パートタイム労働法)8条)により、労働の内容や責任が同じなのであれば、正社員や契約社員という契約形式の違いによって、賃金や待遇に不合理な格差を設けてはいけないと定められています。
しかし、契約社員として働く場合、業務内容の範囲や責任の重さが正社員と全く同じであるケースは少なく、この違いに応じて賞与や退職金の有無という違いを設けている会社が一般的です。
とはいえ、最近では契約社員にも賞与を支給する企業なども増えてきており、事前にその企業の条件をよく確認する必要があるといえますね。
正社員よりも採用されやすい背景
契約社員は有期労働契約であるとご説明しました。
そのため、無期労働契約である正社員に比べて、業績悪化などの会社都合や、採用したけど能力が低いと判断された時に、「契約終了」という形で雇用関係を終わらせやすいリスクがあります。
一方で、雇用関係を見直せるタイミングがあることから、正社員採用時よりも採用のハードルが低いというメリットもありますよ。
契約社員として転職する際には、正社員とは違うメリットとリスクが存在します。
将来に向けて契約社員を選択するかどうかは、次にご紹介するリスクを踏まえたうえで判断するようにしましょう。



契約社員への転職に潜む6つのリスク
「契約社員への転職がオススメできない理由」「契約社員が抱える5つのリスク」を含め、契約社員への転職で生じるリスクを6つご紹介します。
契約社員への転職に潜む6つのリスク
- 確実に更新できる保証はない
- 立場が弱くなりやすい
- 給与の形態が企業によって違う
- 基本的に昇進はしない
- 契約社員という経歴は転職時評価されにくい
- 無期転換ルールは正社員登用ではない
契約社員という働き方を検討したとき、具体的にどういったリスクが生じるのかを知っっていきましょう。
リスク1:確実に更新できる保証はない
ひとつ目のリスクは、確実に更新できる保証はないことです。
先述のとおり、契約社員は雇用期間が定められており、期間終了が近づくとその後は契約を更新するか、雇用形態を変更するか、契約の終了のいずれかの方向に向かって話し合いが行われます。
契約の更新には、雇用側と契約社員側の双方の合意が必要で、「実際に働いてみて良い会社だからもっと長く働きたい!」とあなたが思っていても、雇用側が望まなければ、そのまま契約が終了となってしまう可能性もあるのです。
契約更新とならない理由のなかには、会社の業績が悪いなどの外的な影響を受けることも多いので、リスクとして理解しておくようにしましょう。
リスク2:立場が弱くなりやすい
2つ目のリスクは、立場が弱くなりやすいことです。
先述のとおり、契約社員は会社の都合で契約更新されないリスクがあり、正社員よりも替えがききやすいため、どうしても立場的に弱くなりやすい面があります。
また、これは正社員にも言えることですが、きちんとしたスキルや能力を身につけていかないと、転職活動の難易度があがり、転職市場においても弱い立場になってしまうので注意が必要です。
リスク3:給与の形態が企業によって違う
3つ目のリスクは、給与の形態が企業によって違うことです。
正社員の場合、給与形態は月給制、または年俸制のどちらかのケースが多いですよね。
一方、契約社員の場合だと、月給制、時給制、日給制と給与形態は企業によってさまざまなパターンがあります。
ここで注意が必要なのが、時給制の契約社員として働く場合です。
正社員であれば、事故や体調不良により会社を休んだとしても毎月の給与額は変わりませんが、時給制の契約社員が体調不良などで休んだ場合、休んだ日数の給与は支払われません。
不慮の事故にあった場合や、大型連休などがある月では、給与額が変動してしまうというリスクがあるのです。

リスク4:基本的に昇進はしない
4つ目のリスクは、基本的に昇進はしないことです。
契約社員は期間を定めて契約をしているので、昇進という考え方にマッチしていないのです。
契約社員の場合、持っているスキルによって雇用され、決められた範囲の業務に取り組むことが求められます。
それ以上を求めるのであれば、企業側もチャレンジできる環境や裁量を与えなくてはいけませんし、働く側も責任を追い、幅広い業務に取り組む必要がでてきます。
正社員の場合、業務内容の幅や責任の重さ、転勤の可能性が存在するかわりに、昇進や昇給の可能性も存在します。
契約社員の場合、昇進や昇給の可能性一般的にありませんが、その分業務内容が固定されていたり、残業や責任が正社員に比べて軽いという利点もあります。
トレードオフの関係といえますね。
ちなみに、契約社員で能力が高く、優れていると評価された場合は、昇進ではなく、契約更新時の給与額引き上げや、正社員雇用の提案という形で提案を受けることになりますよ。
リスク5:契約社員という経歴は転職時評価されにくい
5つ目のリスクは、契約社員という経歴は転職時評価されにくいことです。
なぜなら、先述のとおり、契約社員は基本的に昇進しないからです。
正社員であれば、スキルや能力があれば、役職がついていったり、責任あるポジションを任されるようになりますよね。
転職活動時、それらの経験や経歴は強いアピールポイントとなります。

あなたが優秀なスキルを持っていて、優れていたとしても、それが経歴に残らないため、転職活動においては評価されにくいのです。
持っている能力をアピールするためには、資格を取得したりなどの工夫が必要になってきますよ。
リスク6:無期転換ルールは正社員登用ではない
6つ目のリスクは、無期転換ルールは正社員登用ではないことです。
「無期転換ルール」とは、有期労働契約が更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申し込みによって、期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)に転換できる法律です。(労働契約法第18条平成25年4月1日施工)
これは、期間の定めのない雇用に転換することで、雇用が安定し、安心して働き続けられるようにと設けられた救済措置であり、更新期間が5年を超えれば、雇用側の申し込みや許可は不要で、自分の希望さえあれば成立します。
ただし、正社員になるわけではないので注意が必要です。
雇用期間については正社員と同じく、無期労働雇用へと切り替わりますが、それ以外はこれまでと何も変わりません。
例えば時給制である場合、転換後も給与形態は時給制が継続されますし、賞与の有無、金額についてもこれまでと同じルールが適用されます。
「雇用期間が安定するならそれ以外は契約社員の働き方が合っている」のか「雇用期間も含めて正社員に近い働き方がしたい」のかによって、ルールの適用は慎重に検討するようにしてくださいね。
また、一部の悪質な企業は、このルールを逆手にとり、ルール適用ぎりぎりの5年で契約期間を打ち切ってしまう所も存在します。
事前に契約の更新条件や更新期間の上限はしっかりと確認するようにしましょう。
契約社員をスタートに正社員登用される可能性は?
最近では、契約社員の募集であっても「正社員登用制度あり」などの文言を見かけることも多くなってきました。
そのため「とりあえず契約社員で入って、気に入ったら正社員になればいい」と安易に判断する人もいますが、これには注意が必要です。
なぜなら、正社員登用制度のハードルは企業によって違うからです。
例えば、「ミスマッチを防ぐために入社から半年間は契約社員扱いだけど、その後は本人の希望さえあれば基本的に正社員に切り替えるようにしているよ」という企業と「制度としては存在しているけど、実際に正社員になった人を見たことがないよ」という企業とでは、正社員になれるかどうかの可能性は大きく違いますよね。

契約社員から正社員登用で心がけておきたいこと
先述の通り、契約社員から正社員になれる確率はあまり高くないのが現状です。
とはいえ、「契約で働きはじめたけど正社員になりたい!」という人も多いですよね。
そんな時には、まず先述のとおり正社員登用制度の有無、条件を確認しましょう。
そして、自分の努力次第で正社員への可能性があると判断できた場合には、以下の2点を常に心がけてみましょう。
契約社員から正社員登用で心がけておきたいこと
- 周りが認めるスキルや知識を持ってレベルの高い仕事をする
- 社会人としての常識やビジネスマナーを備え、時と場合に応じた的確な対応をする。
周りが認めるスキルや知識を持ってレベルの高い仕事をする
自社に有益な能力があれば企業側は必ず評価しますし、手放そうとはしません。
他の誰かでは替えがきかない能力やスキルを身につけ、正社員への意欲を伝えるのは効果的なアプローチです。
自社や業務内容に対して熱意を持って取り組んでくれる社員というのは、どの企業にとっても価値が高い存在ですよ。
社会人としての常識やビジネスマナーを備え、時と場合に応じた的確な対応をする
これは最低限必要なラインの話ですが、どんなにスキルがあったとしても社会人としての常識やビジネスマナーが備わっていないと正社員への登用は難しくなります。

契約社員を選ぶメリット5つ
これまで、契約社員として働く際のリスクをご説明してきましたが、ライフスタイルやあなたが重要視するものによっては、契約社員という働き方は非常にメリットとなる場合もあります。
ここでは、契約社員を選ぶメリットを5つご紹介します。
契約社員を選ぶメリット5つ
- 採用されやすく辞めやすい
- フルタイムで働ける
- プライベートを充実させられる
- 業務内容がある程度限定され、責任の範囲が狭い
- 正社員と同じ社会保険に加入できる
メリット1:採用されやすく辞めやすい
ひとつ目のメリットは、採用されやすく、辞めやすいことです。
契約社員の場合、契約期間の定めがありますので、企業側には「能力が低ければ更新しなければよく、待遇面も正社員1人雇うよりも負担がすくない」という安心材料があります。
ですから、無期雇用の正社員に比べてハードルが低く、採用されやすいメリットがあるのです。
また、結婚や出産、留学を控えているなど、期間を決めて将来の目標に向けて努力しているなど、他のライフプランがある人にとっては、契約満了時に退職を切り出しやすいというメリットもありますよ。
メリット2:フルタイムで働ける
2つ目のメリットはフルタイムで働けることです。
パートやアルバイトの場合、契約時に交わした限られた時間内でしか働けませんが、契約社員の場合は契約条件次第ではフルタイムで働けます。
また、企業側もフルタイムを前提として、契約社員の求人を出している場合が多いからです。
ライフプランなどの都合によって、正社員としての働き方は難しいけれど、パートやアルバイトよりも稼ぎたい場合には契約社員はおすすめです。
メリット3:プライベートを充実させられる
3つ目のメリットは、プライベートを充実させられることです。
契約社員の場合、残業が少なく、定時で帰りやすいというメリットがあります。
なぜなら、昇進や賞与といった恩恵を受けない代わりに、業務内容が限定的で、責任も生じないからです。

仕事も決められた範囲に対してはきちんと作業することが求められますので、無理なくライフワークバランスの取れた生活を送れますよ。
メリット4:業務内容がある程度限定され、責任の範囲が狭い
4つ目のメリットは、業務内容がある程度限定され、責任の範囲が狭いことです。
正社員として働くと、仕事量の多さや責任の重さがプレッシャーとなってしまい、不安や苦しく感じてしまう人にとっては、契約社員としての働き方はメリットが大きいといえます。
契約社員の場合、雇用期間を考慮すると、先を見据えた戦略的な業務や長期的な業務にはあまり向いていません。
そのため、比較的責任の軽い業務を任されることが多いのです。
正社員の場合、業績や利益を上げることで、賞与や昇進という大きなメリットが返ってきますし、その分プロジェクトを進めていったり、部下を引っ張っていく責任が生じます。
契約社員の場合は、それらのメリットが薄いかわりに、責任の範囲も狭く、自分のできる範囲での業務で、スキルや知識を深めていけますよ。
メリット5:正社員と同じ社会保険に加入できる
5つ目のメリットは、正社員と同じ社会保険に加入できることです。
待遇面では正社員と異なる部分が多い契約社員ですが、社会保険や福利厚生の一部などは正社員と同じく適用されます。
パートやアルバイトよりは安定して働きたいけれど、正社員の労働条件や責任の大きさで働くことが難しいという人にとっては大きなメリットといえますね。
契約内容で必ずチェックすべきポイント
契約社員として働く場合、契約の内容や契約期間は企業によって異なります。
入社前に以下の内容を必ずチェックし、自分が想定している働き方と合っているか、必ずチェックするようにしましょう。
契約内容で必ずチェックすべきポイント
- 契約期間
- 更新上限の有無や更新手続き
- 待遇や条件
たとえば、更新上限が最長5年と定められている場合、さきほどご紹介した「無期転換ルール」は必然的に適用できなくなりますよね。
また、「更新時の条件」や「待遇」については契約後だと聞きにくい面もあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
他にも、契約の更新がされない場合、何か月前に通知がもらえるのか把握しておけば、次の転職活動を始める目途もつき、動きやすくなるので確認しておくのがおすすめです。
企業の提示している内容が、自分の希望とかけ離れていないかを事前に確認しておくことで、リスクは最小限に減らせますよ。
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契約社員のメリットデメリットのまとめ
契約社員のメリットデメリットのまとめ
- 契約社員として働く場合、いくつかのリスクがあるので、それを踏まえて選択するか検討する
- リスクがあるかわりに、正社員とは違ったメリットがあり、契約社員でのみ受けられる恩恵もある
- 自分のキャリアプランやライフプランが契約社員という働き方と合っているかをよく考えるのが大切
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いかがでしたか?
契約社員という働き方には、メリットとリスクが存在します。
たとえば、あなたが現在契約社員として働いており、なおかつ雇用や賃金面での不安を強く感じるのであれば、正社員としての働き方を検討するのがおすすめです。
逆に、ライフワークバランスを重視していたり、リスクを踏まえたうえでも得られる恩恵の方が大きいと考えるのであれば、契約社員の働き方は合っているといえますよ。
雇用においては、正社員でも契約社員でも、メリットデメリットはトレードオフの関係です。
大切なのは、あなたに合う働き方、自分自身のプランやビジョンを明確にし、それと照らし合わせることなのです。
契約社員という働き方は、あなたの現在と未来にどう影響しそうか、じっくり考えてみてくださいね。