転職の面接を受けることになったら、どんなことを準備したらいいのか、迷ってしまいますよね。
今回は、転職の面接で押さえておきたいポイントについてご紹介します。
採用から面接までの流れや、準備しておきたいこと、面接でのマナー、質問回答例まで詳しく解説しますので、これから転職活動を始める方、いよいよ面接を控えている方など、ぜひ参考にしてみてください。
面接までの流れ
一般的に転職活動では、採用までに行われる面接は1回〜3回です。新卒採用で大手企業を受けたことがある人は、少なく感じるかもしれません。
しかし中途採用の面接では、最初から「会社 対 応募者」で見てもらえるので、個々のスキルや経験を伝えやすく、アピールしやすい場ともいえます。
書類選考
面接の前には、まず書類選考を通過することが必要です。応募時に履歴書や職務経歴書や自己PRなどを記入したものを、Webサイト経由か郵送で送り、その内容をみて企業側が合否を判断していきます。
面接〜内定
書類選考で合格になったら、いよいよ一次面接の開始です。
一次面接は人事の採用担当者が面接官となることが多く、あなたの自己紹介や前職での経験、自己PR、転職理由、志望理由などが聞かれます。
あわせて会社からは会社説明をしてもらえる場合も多いので、事前に調べてもわからなかったところは質問して疑問を解決しておくとよいでしょう。
一次面接が通ると、次に二次面接が行われます。
採用された場合に配属される部署の先輩や上司となる人が面接官になる場合が多く、一緒に働くときの相性などがみられますので、あなた自身も働いたときのイメージを持ちやすくなる場でしょう。
二次試験を合格すると、最終面接が行われます。最終面接は社長や部署長、役職者などが面接官になることが多く、最終ジャッジをされる場です。
経験豊富な面接官を前にすることになるので、あなたの人柄だけでなく、これまでのスキル、新しい会社でやりたいことなどを上手に伝えられるように、準備しておく必要があります
会社によっては、一次面接・二次面接の内容がその場で一気に行われたり、最終面接までが1日で終了することもあるようです。
最終面接を合格すると、内定をもらえることになり、無事転職活動が終了します。
面接まで必要な3つの準備
面接までに必要な準備は、大きく分けての3つです。
- 面接の質疑応答への準備
- スーツなど身だしなみの準備
- 持ち物の準備
面接日当日に準備するには、とても量が多いものになりますので、何日かに分けて余裕を持って準備をしておくと安心です。
面接の質疑応答への準備
転職活動で行われる面接は、時間が限られているので準備が合否を左右すると言っても過言ではありません。
たとえば「自己紹介」や「自己PR」はどの企業を受けるときにも必要となりますが、面接を受ける企業を研究した上で、ベースをその企業用にアレンジしておくとよいでしょう。
準備しておくとスムーズに質疑応答ができるもの
- 応募する企業の仕事内容やサービスを研究し、その内容に合わせて自己紹介や自己PRを練り直す
- 自己紹介を1分程度で言える
- 「志望動機」「転職理由」などをうまく伝えることができる
- 「何か質問はありますか?」と言われたときの、企業への質問を考えておく
- 求人情報の給与や雇用条件の希望は大丈夫か確認する
面接でよくある質問回答例については、この後詳しくご紹介していきます。
スーツなど身だしなみの準備
TPOに合わせた身だしなみが整っていると、面接で好印象を残すことが可能です。面接の場では初対面の印象で決まってしまうので、できるだけマイナス点を取らないように、身だしなみには心を配りましょう。
男性のスーツ選びのポイント
スーツは黒、ネイビー、ダークグレーなどの色味を選び、白無地のワイシャツを選びます。
スーツやワイシャツにはシワがないように、アイロンをかけ、襟元の汚れにも気をつけておきましょう。
女性のスーツ選びのポイント
女性の場合も、黒やネイビー、グレーのスーツを選びましょう。
ボトムスは座ったときに少し膝が出る程度の膝丈のタイトスカートか、パンツスタイルがおすすめです。インナーは特に規定がないので、スーツに似合うシャツやブラウスを選ぶとよいでしょう。
男女共通の身だしなみのポイント
男性、女性ともに靴はビジネスシーンに合わせたものを選び、汚れは拭き取り、磨いておきます。
髪型はTPOを意識した清潔感が出るものに整え、眉毛なども整えておくとよいでしょう。女性の場合はメイクやネイルは派手にならないように、気をつけておくと安心です
カバンは書類を折らなくても入れられる、A4サイズが入るビジネスに適したバッグを選びます。
手持ちがなければ友人や家族に借りたり、入社後に使いそうであれば購入したりするなど、当日や直前に慌てないように準備しておきましょう。
持ち物の準備
最後に面接に行くときの持ち物を準備していきます。カバンの中に、以下のものを最低限用意しておくようにしましょう。
企業の電話番号
万が一面接に遅れそうな場合に電話がかけられるように、控えておきます。
面接に遅れるのはマナー違反となるため、前日までに遅れないように企業までの道のりは調べておきましょう。
応募書類のコピー
面接は応募時に提出したときの履歴書や職務経歴書などを参考にして、あなたに質問をされることが多いです。
そのため面接の場で相違がないように、事前に何を書いたのかを面接前に読み返すように持っておきましょう。
求人情報や会社案内
Webで求人情報や会社案内が出ている場合には、出力しておくとよいでしょう。説明を受けて、書き込むことができますし、面接前に読み返すこともできて便利です。
ペン・ノート・手帳
面接では企業の会社説明がされることもあるので、ペンとノートは持っておき、いつでもメモを取れるようにしておきましょう。メモを取ることで、企業への熱意が伝わります。
適正テストや筆記試験がある場合もあるので、ペンは必須です
その場で合格が出て、次の面接日を決めることもありますので、手帳も持っておきましょう。
採用面接でのマナー
採用面接でのマナーは、面接中だけでなく、会社を訪問したときから始まっています。
マナーが見られるのは、採用したときに自社の社員としてお客様の前に出しても恥ずかしくない振る舞いができるかという点を見られているのです。
逆に言えば面接時のビジネスマナーを一度覚えてしまえば、どこの企業の面接でも、入社後の仕事へも活かすことができるので、ぜひ身につけておきましょう。
訪問時のマナー
面接には、約束の5〜10分前に到着するのが理想です。
それ以上に早く到着しても、採用担当にとっては迷惑になることもあるので、近くのカフェで面接の準備をするなど、到着時間を調整してから訪問するようにしましょう。
逆に遅刻しそうな場合には、必ず連絡を入れて、いつ頃着く予定なのかを伝えます。
企業についたら、ビルに入る前にコートを脱ぎ、携帯電話をOFFにし、身だしなみを整えます。

と受付にハッキリと分かりやすく伝えましょう。
待合場所に案内されたら、資料を最終確認するなどして静かに待っていましょう。
入室時のマナー
面接が行われる部屋に入室する際は、名前を呼ばれたら、ドアを3回ノックします。「どうぞ、お入りください」などの返事があったら、「失礼します」と言い入室し、扉の方をむきなおり、静かに閉めるようにしましょう。
面接官の方をむきなおり、

と挨拶をするとベストです。その後、面接官から「おかけください」と言われてから、席につきます。
このとき、カバンは椅子の背もたれや、他の椅子に置くのはマナー違反となりますので、椅子の横に置きましょう
逆にあなたが先に部屋に通され、面接官を待つ場合には、面接官がノックをした時点で椅子から立ちます。
テーブルを挟んで向かい側に面接官がいらしたら、立ったまま先ほどと同じように名前と本日のお礼を伝え、あいさつしましょう。「おかけください」と促されたら、席につきます。
面接中のマナー
面接中は話している質問や回答などの内容だけでなく、そのときの話し方や表情、態度、姿勢などが見られ、総合的に「会社にふさわしい人か」を判断されています。
大きく分けて、話し方と印象を意識するとよいでしょう。
まず「話し方」は、面接官の質問に対して簡潔に回答することを心がけます。だらだらと長くなるよりも、結論から述べることを意識します。
いくつか理由や説明する必要があるときには、

というように、ポイントを絞って説明しましょう。明るくハッキリと回答すること、適切な敬語を使うことを意識するのもよいですね。
そして2つ目の「印象」は、面接官の方を見て話すことを意識しましょう。視線をそらしたり、うつむいていることが多いと、自信がないと思われたり、嘘をついているという印象を与えてしまう場合もあります。
緊張で表情が固くなってしまう人もいると思いますが、柔らかく微笑むくらいことを意識すると、ガチガチの真顔で話すよりも、好印象を与えることができます
退室時のマナー
面接が終わったら「ありがとうございました」とお礼を伝え、「失礼いたします」と言い、ドアを静かに閉めて退室します。
これで面接が終了となりますが、会社を出るまで誰に見られているのかわかりませんので、気を抜かないようにしましょう。コートは会社を出てから着るようにします。
面接でよく聞かれる5つの質問回答例
時間の限られた面接だと、簡潔に伝えることが大事だ!


それと、相手は表情も見ているから鏡の前で話してみて、自分の表情を確認してみよう!

自己紹介をお願いします
氏名・前職でのキャリア・アピールポイントを簡潔に1分以内に述べるようにします。
職務経験や内容よりも、表情や話し方による第一印象、コミュニケーション能力などが見られることが多いようです。
回答例
〇〇と申します。
前職では学習塾を経営する会社で、4年間、教室長をしてまいりました。
子どもたちの成績を上げるだけでなく、保護者の方とのコミュニケーションを大切にし、満足度アップに注力してきました。
その結果口コミで評判が広がり、前年対比150%の会員数という成果をあげました。
今回は営業職への挑戦となりますが、前職での経験を活かして、顧客満足度の高い仕事を目指し、売り上げ貢献をしたいと思っています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
自己PRをお願いします
自己紹介とは違って、あなたの強みや長所を伝える場です。
面接の場では時間が限られていますので、1つのポイントに絞り、エピソードを交えて具体的に説明するように心がけます。
その際、企業研究をして企業が求める人物像に当てはまるようなアピールポイントを選ぶようにしましょう。
回答例
私の強みは、好奇心旺盛なところです。
前職ではお客様のご希望を伺っても、もっとニーズがあるのでは?ということを心がけ、掘り下げて質問することを心がけていました。
するとお客様から「実は…」という裏話や、表に出てこないニーズを聞くことができ、大きな提案や大きな成果につながることが多かったです。
好奇心旺盛にお客様と関わることで、もっとお互いのことを知り、信頼関係を深めることで、より大きな成果につなげることができたので、この姿勢を御社でも大事にしたいと思っています。
退職理由を教えてください
自社でも退職する可能性があるのかということ、入社後に活躍できる人柄なのかを確認するための質問です。
そのため、どんな退職理由だったとしても、この会社では長く働きたいと思っているというポジティブな内容に切り替える必要があります。
回答例
自由な発想でデザインができなかったため、転職を考えました。
前職のデザイン会社では、代々続いている老舗のクライアント様からの受注がほとんどで、内容は定型のものを書き換えるものがほとんどでした。
時代やニーズに合わせることよりも、変わらないことに重きを置く視点に疑問を感じ、転職を考えるようになりました。
御社ではもっと売り上げに貢献できるようなデザインの提案や、多くの人に目にしてもらえるようなデザインを生み出せるよう、貢献していきたいと思っています。
志望動機を教えてください
どのくらいの熱意があるのか、社風とマッチするのかということを知るために聞かれます。
未経験の職種に転職したい場合にも、熱意や意欲、人柄が良ければ面接官も「ぜひ一緒に働きたい」と感じてくれることでしょう。
どうしてその会社でなければダメなのか、入社してどんな仕事をしたいのか、サービスや考え方で共感していることなどをポイントに、志望動機をアピールしていきます。
回答例
御社を志望した理由は、「クライアント第一主義」という考え方に共感したからです。
前職では売り上げが重要視されていることもあり、クライアントのニーズに合わせる提案よりも、売り上げの高いものを重視する傾向がありました。
でも本当にしたいのはそのクライアント様にとってどれが一番大切かということであり、それがさらに大きな成果につながっていくと感じています。
御社なら、どんなクライアントへも満足度の高い提案とサービスが柔軟に提供できると思い、志望いたしました。
何か質問はありますか
逆質問は、必ずと言っていいほど面接の最後の用意されている質問です。
これは応募者が意欲を持って志望しているのか、質問をスムーズに行えるコミュニケーション能力や、入社後に社員たちと仕事を円滑にできる力があるのかなどを判断するために行われます。
特に正解はないので自由に質問しても問題ありませんが、HPに載っていることや、すでに面接官が説明されたことなど重複することは避けましょう。
逆に「ここまでよく調べていてすごいな!」と感心されるポイントにもなりますので、面接前に会社情報をよく調べた上で、質問を準備しておくのがおすすめです。
回答例
・私のように違う業種から転職した中途入社の方は、入社からどの程度の期間で成果を出していますか?
・御社に入社したら、いち早くマネージャーを目指したいと考えています。準備しておいた方がよいことや、勉強しておいた方がいいことはありますか?
・1日の仕事の流れを教えてください
・御社が中途入社者に期待することを教えていただけますか?
まとめ
今回のまとめ
- 質疑応答の内容をあらかじめ考えておこう
- 身だしなみ、表情はよく見られているので気をつけよう
- マナーは大事。挨拶とお礼は忘れずにしよう
面接は当日だけでなく、しっかりと事前準備をすることが大切です。あなたの熱意と意欲が伝われば、好印象を与えられ、一緒に働きたいと思ってもらえることでしょう。
実力を発揮できるよう、しっかり準備をして面接にのぞんでくださいね!